ネットに載っていない中古マンションの探し方。未公開の優良物件を見つける方法。

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ポータルサイトで中古マンションを探しているけどなかなか希望の条件に合う物件が見つからない。希望に合う物件を見つけて問い合わせたけど、すでに決まっていた。

なんで希望の物件が見つからないんでしょうか。タイミングとか希望条件が相場とずれているとか、いろいろ理由はあるでしょうが、理由の1つにポータルサイトやネットで検索するだけなので、ネットに出て一般公開される前の優良物件情報に全くアクセスできていないということがあるかもしれません。

ある意味仕方がないでしょう。不動産業界で働いたことがない一般の方がわからないのは当たり前です。現実にはポータルサイトやインターネットに出る前の物件が売買されていますが、一般の方はなかなかその情報にアクセスすることができません。

一般公開される前の物件情報にアクセスする方法は難しくないです。絶対にアクセスできるというわけではないので、アクセスできる可能性を高めると言う方が正確でしょう。その方法は魔法のようなものではありませんし、理屈を理解すれば誰でもできる方法です。お金もかかりません。多少労力や時間はかかりますが、行動する価値はあると思います。実際にやってみるかどうかは、この記事を読んで判断してください。私は不動産業界で10年以上働いていますが、効果があると思います。

この記事では、次の事を説明します。

  • ネットに載っていない中古マンション情報を探す具体的な方法
  • 未公開情報にアクセスできる理由

中古マンションに加えて、土地や中古住宅を探すときにも同じ方法が使えます。

Contents

ネットに載っていない中古マンションの情報を探す具体的な方法

ポータルサイトなどに載っていない中古マンションの情報を手に入れる方法について説明します。ここで紹介する方法を行うことで、絶対とは言えませんが、単にポータルサイトなどを検索し続けるよりも、希望の中古マンション、優良物件を見つけることができる可能性はかなり高まると思います。

ネットに載っていない中古マンションの情報は実際にある

まず大前提として、ネットに載っていない中古マンションの情報は実際にあります。すべてネットに出ているという意見も聞きますが、実際に不動産業務を行う中でネットに出さない、または出す前の物件というのは時々あります。また、同業者もネットに出していない、または出す前の物件情報を持っている場合があります。

ネットに載っていない中古マンションの情報は不動産会社にあります。親戚や知り合いが不動産を売りたいと言っている、という情報を直接または間接的に聞くというような場合も考えられますが、多くはないでしょう。

中古マンションの売り情報は基本的に、売主から依頼された不動産会社がポータルサイト等に情報を公開します。不動産の売主が不動産会社の場合は、不動産会社が売主として直接情報を公開することがあります。また一部で売主が直接情報を公開するサービスもあります。しかし、ほとんどの場合、売主から売却依頼を受けた不動産会社がポータルサイト等に物件情報を公開しています。

不動産会社に行く

不動産の売却情報、川上の情報は基本的に不動産会社に集まります。未公開の情報を手に入れるためには不動産会社に行くしかありません。

どの不動産会社に依頼するのか

希望のエリアまたは近くに店舗がある不動産会社に行ってみましょう。また、希望の条件に合う中古マンションではなくても、希望のエリアの物件情報を多くポータルサイトや自社サイトに掲載している不動産会社なども有力な候補になります。希望エリアの不動産会社や、希望エリアの物件を多く取り扱っている不動産会社は、今後もそのエリアの物件を販売する可能性が高いからです。

売主の立場になればわかりやすいです。どの不動産会社に売却を依頼するでしょうか。多くの場合、自分が売りたい不動産、中古マンションがあるエリアに店舗がある不動産会社、またはそのエリアの物件を多く取り扱っている不動産会社に依頼するでしょう。

また、実際に店舗を訪問してみて、信頼できそうなのかどうかを判断する必要があります。

何社に依頼するのか

不動産の所有者、売主がいつ不動産会社に売却を依頼するのか、どの会社に依頼するのかということはだれにもわかりません。できることは可能性を高めることです。つまり複数の不動産会社に相談して、物件探しを依頼するのです。1社よりも2社、2社よりも3社に依頼した方が、希望の物件を見つける可能性は高くなります。

何社に依頼すればよいという明確な基準はありませんが、いつまでに中古マンションを買いたいのかということを基準にすることができます。例えば、3ヶ月から6ヶ月くらいの間には希望のマンションを見つけて契約したい場合、3社くらいに依頼してみる。また、3ヶ月以内には決めたいと考えている場合は5社くらいに依頼してみるなどです。

ただ、あまりにも多くの不動産会社に依頼すると、情報の管理が難しくなるので注意が必要です。

不動産会社への依頼のやり方と注意点

不動産会社に物件探しを依頼する方法や注意点について説明します。

不動産会社の立場や特徴を理解する

不動産会社は、売主から依頼を受けた物件をREINSに登録したり、ポータルサイトに掲載する前に、すでに中古マンション探しの依頼を受けている顧客に紹介することはよくあります。不動産会社や営業マンにとって、目的は仲介手数料をより効率的に稼ぐことです。売主から売却の依頼を受けた物件を、既存の顧客に紹介して、そのまま成約すればポータルサイト等に掲載する労力もいりません。

また、売主、買主両方から仲介手数料をもらうことができます。売主、買主の両方から仲介手数料をもらうことは法律で認められており問題はありません。一般に公開して、他業者が買主を見つけてきて契約をする場合、売主から依頼を受けた不動産会社は売主からのみ仲介手数料を受け取ります。売主、買主両方から仲介手数料をもらう場合の半分にならいます。

不動産会社としては当然売主、買主両方から仲介手数料をもらいたいと思います。だから売主から売却依頼を受けた不動産会社は、できるだけ一般公開する前に既存の顧客に紹介して決めてしまいたいと思うのです。中古マンションを探す場合、この段階で不動産会社から紹介を受けることができれば、ポータルサイト等に載る前の情報を入手することができます。

不動産会社と信頼関係を築いて公開前の情報を手に入れる

不動産会社が売主から売却依頼を受けて、ポータルサイト等に掲載されるまでの間に物件の紹介を受けるためには、不動産会社との関係が大切です。不動産会社が公開する前の物件情報を紹介したいと思うのは、次の全てに当てはまる人です。

  1. 条件に合う物件であればすぐに購入する可能性のある人
  2. 住宅ローンの仮審査に通っている人。または現金で購入できる人。
  3. 連絡に対するレスポンスが早く、すぐに行動できる人。

不動産会社の営業マンは毎月のノルマがあり、とても忙しく働いています。いい条件の物件があれば、すぐに購入してくれる人に連絡をします。それが最も効率的だからです。

これはどうしようもないことですが、優良物件の情報を誰に伝えるかは、完全に不動産会社の営業マン次第です。何が正しいとかそういう問題ではありません。現実を理解して、どうすれば優良物件の情報を早く入手できるのかということを考えるべきです。

何も媚を売る必要はありません。次のことを行い、不動産会社にあなたのことを優良な顧客と認識させるのです。

  • 勤務先や年収、貯金などを伝えて購入する能力があるということを理解させる。
  • 住宅ローンの仮審査を通しておく。まだの場合は不動産会社に仮審査を依頼する。
  • 現実的な希望条件をある程度詳細に伝える。
  • 希望条件に合う物件があればすぐに申し込む意志があるということを伝える。
  • 定期的にメールや電話で連絡をする。

はじめは電話ではなく、直接顔を合わせて依頼することが大切です。不動産会社の営業マンは毎月、何十人もの顧客の対応をしています。電話でいい物件があったら紹介してくださいと伝えても、かなりの確率ですぐに忘れられてしまいます。直接会って話すべきです。可能であれば上記のことをメモしたシートなどを渡しておけば、他の顧客と差別化できるかもしれません。

住宅ローンの仮審査は仮の物件でも行うことができます。まだの場合は、希望に近い物件をえらんで銀行などで直接仮審査を行うか、不動産会社に依頼して仮審査を行ってください。ローンが通るかどうかわからない状態では、本当に物件が買えるかどうかわからないからです。

一度会って物件探しを依頼した後は、定期的にメールや電話で連絡を取りましょう。あまり頻繁に催促すると敬遠されるので、月に1回か2回ぐらいがいいでしょう。

注意点としては次のようなことは営業マンに言わない方が良いでしょう。

「すぐに買いたいわけではない」、「ゆっくり検討したい」、「勉強のために物件を見たい」。本当にそう思うのは全く問題ないのですが、営業マンにそれを言うと、未公開物件の情報を優先的に連絡してもらうのは難しくなるでしょう。営業マンが未公開物件の情報を伝えるのは、すぐに購入する意志があり、ローンの仮審査が通っている人(または自己資金で買える人)です。

実際に未公開物件の情報を教えてもらったからといって、絶対に買う必要があるというわけではありません。当然断ることもできます。物件を見学して、気に入ったら買えばいいのです。ただ、判断が早くできるように、事前にこういう物件であれば買うという基準を決めておきましょう。ある程度早い判断ができないと、他の人が先に購入する可能性があります。

未公開の情報にアクセスできる理由

ポータルサイトなどのネットに載っていない中古マンションの情報を手に入れる方法について説明しました。ここでは、どういった理由でネットに載らないのか、それはどれくらいの期間なのか、どういった仕組みになっているのかということを見ていきます。仕組みを理解することで、全体を俯瞰しながらより効率的に中古マンション探しを行うことができるようになります。

情報がネットに載らない理由

不動産の売り情報がネットに載っていない理由は主に次の2つです。

  • 売主が一般に公開することを望んでいない
  • 不動産会社が情報をネットに載せる前である

売主が一般に公開することを望んでいない場合

売主から情報をネットに公開しないでほしいと言われることがあります。隣近所に不動産を売りに出すことを知られたくないとか、売主が有名人のためなど理由は様々です。売主には情報を一般に公開しないことのメリット・デメリットを伝えた上で、基本的には売主の希望に沿った方法で売却をすすめます。そういう時は、店舗に直接来たお客様や、以前から自社に物件探しを依頼してくれているお客様に紹介を行います。

不動産会社が情報をネットに載せる前である

不動産会社が物件の所有者から売却の依頼を受けたときは基本的に次のようなながれで業務をすすめます。

  1. 売主から売却の相談・依頼を受ける。
  2. 物件の調査を行い、売主に査定価格を提示する。
  3. 売却価格を決定する。
  4. 売主と媒介契約を結ぶ。
  5. 物件の情報をまとめたり、写真を準備する。
  6. REINS(レインズ)に登録する必要がある場合は登録を行う。
  7. ポータルサイトや自社サイトなどで一般に情報を公開する。

順番は不動産会社や物件によって多少前後しますが、だいたいこのようなながれになります。見ていただければわかると思いますが、売主から売却の相談・依頼を受けたからといって、すぐに物件情報が公開できるわけではありません。売主から売却の相談・依頼を受けてからREINSに登録したり、ポータルサイト等で公開されるまでの間に、中古マンションの情報を入手できるかどうかがポイントです。

どれくらいかかるのかはケースバイケースなので確実なことは言えませんが、電話で問い合わせを受けたところから考えると、①~⑦までは2週間くらいかかると思います。すぐに売主と会えて、物件を見て、調査(現地・役所など)を行い、売り出し価格を決めて媒介契約を結べば、最短で数日から1週間くらいで情報を公開することができます。また、媒介契約の種類によりますが、媒介契約を結んでからREINS(レインズ)に登録するまでの期間は法律で定められています。

不動産会社としては一般に公開する前の準備の段階で、購入する可能性のある顧客に連絡をします。そこで決まればポータルサイトに掲載する労力もかからず、売主・買主両方から仲介手数料をもらうことができます。売主にとっても早期に売却できるというメリットがあります。購入希望者にとっても一般に公開される前の情報を入手できるというのはメリットです。

REINS(レインズ)

REINS(レインズ)とは国土交通大臣が指定する不動産流通機構が運営・管理を行う不動産流通標準情報システムです。REINSは指定流通機構の会員である不動産会社だけが見ることができるシステムで、全国の不動産情報と取引情報が一元管理されています。一般の方は見ることができません。REINSはReal Estate Information Network System の略です。

REINS(レインズ)に登録された物件の情報は、指定流通機構の会員である全国の不動産会社が確認することができ、自社に購入を依頼するお客様に紹介することができます。

売主から売却の依頼を受けて、媒介契約(専属専任媒介契約・専任媒介契約)を結んだ不動産会社は、規定の期間内に物件情報をREINS(レインズ)に登録する義務があります。一般媒介契約の場合は登録することができますが、登録の義務はありません。

媒介契約

不動産の売却を不動産会社に依頼するときには、売主は不動産業者と媒介契約を交わす必要があります。媒介契約とは購入者を探して売買契約を締結する業務を不動産会社に依頼するための契約です。媒介契約には3つの種類があります。

専属専任媒介契約:不動産会社1社だけに売却を依頼する契約で、他の不動産会社に同時に依頼することはできません。契約期間内は自分で見つけた買主であっても、専属専任媒介契約を結んだ不動産会社を通して取引を行わないといけません。また、専属専任媒介契約を結んだ不動産会社は契約から5日以内に、物件情報をREINS(レインズ)に登録する義務があります。また、1週間に1回以上、売主に対して売却活動についての業務報告を文書等で行う必要があります。

専任媒介契約:不動産会社1社だけに売却を依頼する契約で、他の不動産会社に同時に依頼することはできませんが、自分で見つけた買主とは直接契約することができます。 専任媒介契約を結んだ不動産会社は契約から7日以内に、物件情報をREINS(レインズ)に登録する義務があります。また、2週間に1回以上、売主に対して売却活動についての業務報告を文書等で行う必要があります。

一般媒介契約:複数の不動産会社に同時に売却を依頼することができます。自分で見つけた買主とは直接契約することもできます。また、REINS(レインズ)への登録や業務報告は義務付けられておらず任意です。

まとめ

一般に公開される前の中古マンションの情報は不動産会社にあります。その情報を手に入れるためには、情報が入ったらすぐに連絡してもらえる関係を不動産会社と築いておくことです。

ポイントを押さえて不動産会社に物件探しを依頼して、定期的に連絡を取れば優良物件の情報を入手できる可能性は高まります。中古マンションをお探しの方はぜひ試してみてください。

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