マンション購入時にかかる全ての費用と解説。すぐに使えるリストを掲載中。

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マンションを購入するときにかかる費用について解説します。また、必要な費用のリストを載せているので、印刷したりGoogle Documentに貼り付けてご利用ください。

マンション購入で物件価格以外にかかる費用は大きく分けて2つあります。

  1. マンション購入・契約に必要な費用
  2. マンションに住むために必要な費用

マンション購入・契約に必要な費用には、新築マンションと中古マンションで共通してかかる費用と、新築マンション、中古マンションそれぞれ固有の費用があります。一般的には中古マンションの方が多くの費用がかかります。

この記事のハイライト
  • マンション購入にかかる全ての費用の解説
  • 新築・中古それぞれ固有の費用の解説
  • すぐに使える諸費用リスト

マンション購入を考える場合、物件価格だけでなくすべての費用を把握して資金計画を行う必要があります。マンションなど不動産は高額なので、かかる諸費用も高額になります。自己資金でまかなうのか、住宅ローンに組み込める費用は組み込むのかなど、詳細なシミュレーションが必要です。

Contents

マンション購入の諸費用の相場

マンション購入の諸費用の相場をお伝えします。

  • 新築マンション・・・物件価格の約3%~7%
  • 中古マンション・・・物件価格の約6%~10%

物件価格が5,000万円の新築の場合150万円~350万円、物件価格が3,000万円の中古の場合180万円~300万円くらいの諸費用がかかります。物件価格以外に数百万円ものお金がかかるのです。

不動産自体が高額ですが、諸費用も高額です。購入を希望する物件にはどんな諸費用がかかるのかを早い段階で確認して、実際にどれくらいのお金が必要なのか、どれくらいの住宅ローンを組めばいいのかを把握する必要があります。

新築マンション・中古マンションに共通してかかる費用

登記費用

不動産を購入したら、不動産登記をする必要があります。不動産登記とは、建物の所在や面積、権利関係(誰のものなのか)などを国の管理する登記簿に登録することです。登記を行うことで、第三者に対して不動産の所有権(自分の不動産であるということ)を第三者に主張することができます。これが所有権保存登記(新築)、所有権移転登記(中古)です。

また、住宅ローンを利用する場合は、抵当権設定登記を行う必要があります。わかりやすく言うと銀行が担保をとるということですが、この内容も抵当権として登記する必要があります。国が管理する不動産の登記簿に債務者、債権者、ローンの金額などを登記します。

自分で行うことも可能ですが、通常は司法書士に依頼して登記を行います。必要な費用は次の通りです。

登記費用 = 登録免許税 + 司法書士手数料(10万円前後)

登録免許税は土地、建物、抵当権でそれぞれ税率が決められています。

所有権移転登記(土地): 不動産の価格の2%
※令和5年3月31日まで軽減税率1.5%

建物の所有権保存登記(新築):不動産の価格の0.4%
※令和4年3月31日まで軽減税率0.15%

建物の所有権移転登記(中古):不動産価格の2%
※令和4年3月31日まで軽減税率0.3%

抵当権設定登記:借入額(債権額)の0.4%
※令和4年3月31日まで軽減税率0.1%

<注意!>不動産の価格とは、実際の売買価格ではなく固定資産税の評価額です。新築の場合で建物の固定資産税評価額がまだ付けられていない場合は、法務局が認定した課税標準価格です。

軽減税率を受けるための要件
  • 土地:期限内であれば特に要件はない。
  • 建物および抵当権設定:
    1.登記簿上の床面積が50㎡以上。
    2.自分が住むための住宅であること(自宅)。
    3.中古住宅の場合は築後25年以内(木造の場合は20年以内)の建物、または一定の耐震基準に適合する建物(建築士が耐震診断を行って適合を証明)。

登録免許税に関するくわしい情報は国税庁のホームページをご確認ください。『No.7191 登録免許税の税額表』

司法書士の手数料・報酬は自由化されており、司法書士事務所によって変わってきます。また、手続きの内容によっても変わってきます。一般的には10万円前後になるでしょう。正確な金額を確認するためには登記を担当する司法書士に見積もりを依頼する必要があります。通常は分譲会社や不動産会社が見積もりを取って購入検討者に示します。

印紙税

不動産売買契約書に添付する印紙代です。契約書に記載された契約金額に応じた印紙を貼りつけて消印する必要があります。(軽減措置あり)

印紙税額(印紙代)は次のとおりです。(令和4年3月31日までの軽減措置後の金額)

記載された契約金額税額
10万円超50万円以下200円
50万円超100万円以下500円
100万円超500万円以下1,000円
500万円超1,000万円以下5,000円
1,000万円超5,000万円以下1万円
5,000万円超1億円以下3万円
1億円超5億円以下のもの6万円
5億円超10億円以下16万円
10億円超50億円以下32万円
50億円超48万円

軽減措置がない場合(本則)の印紙税額は次のとおりです。

記載された契約金額税額
1万円未満のもの非課税
1万円以上10万円以下200円
10万円超50万円以下400円
50万円超100万円以下1,000円
100万円超500万円以下2,000円
500万円超1,000万円以下1万円
1,000万円超5,000万円以下2万円
5,000万円超1億円以下6万円
1億円超5億円以下のもの10万円
5億円超10億円以下20万円
10億円超50億円以下40万円
50億円超60万円
契約金額の記載のないもの200円

印紙税に関する詳細は国税庁のホームページをご確認ください。
『No.7101 不動産の譲渡・消費貸借に関する契約書』
『No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置』

住宅ローンにかかる費用

住宅ローンを利用してマンションを購入する場合には次の費用がかかります。

  • 金融機関の事務手数料
  • 保証料
  • 印紙代(金銭消費貸借契約書用)
  • 適合証明取得費用(フラット35など)

事務手数料は3万円(税別)または5万円(税別)などの定額方式、借入金額の〇〇%など定率方式があります。また、保証料は一括、金利上乗せ、無料などがあります。一般的に事務手数料が3万円や5万円の金融機関は保証料が借入額の2~3%くらいかかることが多いです。一方で保証料無料の金融機関は事務手数料が2.2%などかかる場合が多いです。実質あまりかわらないということもあるので、よく検討が必要です。

ネット銀行は金利の安さが魅力ですが、手数料が借入額の2.2%程度のところが多いです。3,500万円の住宅ローンを組む場合は事務手数料だけで77万円かかります。金利が安い分毎月の支払額を抑えることができますが、初期費用を含めてどちらが得なのかを考える必要があります。

住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約)に貼る印紙は借入金額が1,000万円を超えて5,000万円以下の場合2万円、5,000万円を超えて1億円以下の場合6万円かかります。

住宅ローンは金融機関によって金利や費用など様々なタイプがあります。例えば3,500万円の住宅ローンを組む場合、諸費用は借入先によって10万円以下から80万円以上とかなり幅があります。金利と諸費用、返済契約など、どれか一つだけでなく、すべてを考慮して自分に合った住宅ローンを選ぶことが大切です。

どの金融機関で住宅ローンを組むか決めていない段階で資金計画を行う時は、とりあえず借入予定額の2~3%くらいを住宅ローンにかかる費用として考えればよいでしょう。

必要書類等取得費用

不動産の契約をしたり、住宅ローンの手続きを行う場合、公的な証明書など様々な書類が必要になります。例えば住民票や印鑑証明書、税証明などがあります。それぞれ数百円の場合が多いです。

不動産取得税

不動産を取得した時に課税される都道府県税です。売買、贈与、交換など取得方法や、有償・無償、登記の有無にかかわらず課税されます。ただし、相続により不動産を取得した場合など、一定の場合には課税されません。不動産取得税は取得した時に1度だけ課税される税金です。

税率と計算方法

課税額は土地・建物の価格の4%です。令和6年3月31日まで特例で土地と住宅用の建物の税率は3%です。住宅以外の建物は特例の対象外です。

価格は実際の売買金額ではなく、固定資産税評価額です。固定資産税評価額は通常、実際の価格より安くなっています。評価証明書で確認しましょう。

不動産取得税 = 土地建物の価格(固定資産税評価額) × 4%(令和6年3月31まで特例あり)

住宅の新築や中古住宅を取得した場合、一定の要件を満たす場合は不動産取得税が減額されます。詳細は福岡県庁のホームページをご確認ください。
関連リンク『不動産取得税 – 福岡県庁ホームページ』

火災保険料

マンションの火災保険について説明します。また、安く火災保険に加入する方法もお伝えします。

一般的にマンションを購入すると、同時に火災保険に加入することになります。大切な財産である建物が火災などで損害を受けたときに補償が受けれるようにするためです。また、住宅ローンを利用している場合、金融機関の多くが火災保険への加入を条件にしているからです。

マンションの火災保険は戸建と違う部分があります。戸建の場合は建物全部や外構も含めて保険をかけますが、マンション購入者がかける保険は、建物の専有部分です。共用部分(エントランス、エレベーター、廊下など)の火災保険は通常管理組合が加入します。

マンションの火災保険金額は通常、マンションの購入金額よりかなり少なくなります。マンションの購入金額には、建物専有部分、建物共用部分の持ち分割合、土地の持ち分割合が含まれています。保険をかけるのは建物の背有部分になるからです。

例えば5,000万円の新築マンションであれば、専有部分の評価額は1,000万円くらいになることが多いでしょう。地域やマンションの仕様によってまったく変わってきますので、正確には分譲会社、不動産会社に確認しましょう。

マンションの火災保険の相場は10年契約の場合5万円~10万円くらいです。マンションの立地によって水災までカバーする保険に入るのかどうかや選ぶオプションによって金額は変わります。

また、1年契約から最大10年契約まで選ぶことができます。通常長い契約期間を選んだ方が料金が割引されるので、可能であれば10年契約をおすすめします。

火災保険料を安くするための方法はいくつかありますが、ここでは2つの方法を紹介します。

1つ目は、ネット損保を利用することです。価格コムの火災保険比較・見積もりサイトなどを利用することで、一般の代理店や銀行などが紹介する火災保険より安く保険に加入できる場合が多いです。同じような内容で、保険料を安くできるので、必ず利用しましょう。

2つ目は、マンションの火災保険自体は比較サイトなどで民間の保険会社で加入し、家財のみ県民共済の新型火災共済に加入する方法です。民間の保険会社に比べてかなり安いのでおすすめです。補償の条件や内容は保険会社や県民共済で違ってきますので、内容はよく確認しましょう。ちなみに福岡県民共済は家財のみの加入ができます。

新築マンションの場合にかかる費用

修繕積立基金

新築マンション購入時に一括で支払う費用です。集められたお金は10年~15年に1回行われる大規模修繕工事の費用として利用されます。毎月の修繕積立金だけでは必要な資金が不足する可能性があるからです。新築時に一括で修繕積立基金を集めることで大規模修繕に備えるのです。

費用は20万円から100万円前後と、マンションによって違います。購入検討時には物件価格と合わせて確認しましょう。修繕積立基金は安ければよいというわけではありません。大規模修繕の資金の余裕がある方がマンション購入者にとっても安心です。こうした観点から総合的に判断しましょう。

多くの住宅ローンでは修繕積立基金も借入に含めることができます。こちらも事前に金融機関に確認しておきましょう。

中古マンションの場合にかかる費用

仲介手数料

中古マンションを購入する場合は通常、仲介手数料が発生します。仲介を依頼する不動産会社に報酬として払うお金です。仲介手数料の金額は次の通りです。新築マンションの場合は基本的に仲介手数料はかかりません。

物件価格 × 3% + 6万円に消費税がかかります。(物件価格400万円以上の場合)

実際に仲介手数料がいくらになるか、1,500万円と2,500万円の中古マンションを例に計算してみます。

1,500万円の場合

1,500万円 × 3% + 6万円 = 51万円 消費税5万1,000円
合計56万1,000円

2,500万円の場合

2,500万円 × 3% + 6万円 = 81万円 消費税8万1,000円
合計89万1,000円

かなり大きな金額になりますね。基本的に住宅ローンの借入に含めることができます。

マンションに住むために必要な費用

引っ越し費用

ファミリー世帯の場合、10万円~20万円前後が多いようです。引っ越し費用は、家財の量や移動距離、季節によって変わってきますので、早めに見積もりを取って金額を確認しましょう。金融機関によりますが、住宅ローンに含めることができない場合が多い費用なので、自己資金で準備する必要があります。

家具・カーテン・家電の購入費用

家財にかかる費用です。現在利用しているものを新居でも使うのであればお金はかかりません。カーテンについては窓の形や大きさによって変わってくるので、新居に合う大きさのものを利用している場合以外は、新たに購入する必要があります。

テレビ、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、エアコンなどすべてを買う場合は100万円以上の出費になる場合もあります。新居に合うソファーが欲しい場合などもさらに費用がかかります。

基本的には貯金で購入することになるので、家計の状況からどれくらいのお金を使えるのか考えましょう。

処分費

忘れがちなのが、処分費です。新たに家財をそろえる場合、古い家財を処分する必要があります。量や種類によっては10万円以上かかることもありますので、処分するもののリストをつくり、見積もりを取りましょう。まだ使えるものは、リサイクルショップに売ったり、ヤフオクやメルカリに出してもいいでしょう。

すぐに使えるリスト

マンション購入時に必要な費用をまとめたリストを画像と表で掲載します。画像を印刷して利用したり、Googleドキュメントで開いて文字おこしをして利用したり、自由に使ってください。表の方はコピーしてエクセルやGoogleスプレッドシートに貼り付ければ編集して利用できます。

マンション購入時に必要な費用リスト
項目
登記費用
印紙税
住宅ローンにかかる費用
必要書類取得費用
不動産取得税
火災保険料
修繕積立基金(新築の場合)
仲介手数料(中古の場合)
引っ越し費用
家具・カーテン・家電の購入費用
処分費
その他
合計

まとめ

マンション購入に必要な費用について解説しました。思った以上に様々な費用がかかると感じたのではないでしょうか。マンションの価格以外に、必要な費用だけでもかなりの金額になります。

金額が大きいので、必要な費用をはっきりさせて、きちんとした資金計画を作成する必要があります。マンションの価格だけのお金が準備出来ても、それ以外の費用が準備出来ないとマンションを購入することができません。

また、今回は購入時に必要な費用について解説しましたが、購入後に必要な費用もあります。住宅ローンの支払い、管理費、修繕積立金、固定資産税などです。購入時に必要な費用、購入後に必要な費用を把握して、無理のない資金計画を行い、より良い選択をする必要があります。

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